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借金問題や離婚に絡む慰謝料の問題、あるいは近隣トラブルなど、日常生活を通じて弁護士の力添えを仰ぎたい場面は数え切れません。ですが法律の専門家に相談あるいは解決を依頼するとなると、負担すべき費用と敷居の高さがネックとなり、二の足を踏んでしまう方が少なくありません、ここでは全国各地の弁護士事務所が実施している無料相談サービスの有効活用を通じ、賢くトラブル解決の糸口につなげるコツをご紹介します。

弁護士の無料相談サービスとは

通常弁護士に何らかの相談を持ち掛ける場合、各弁護士事務所が定める、時間あたりの所定の金額の負担が必要です。ですがこのシステムがハードルとなり、一刻も早く弁護士に相談すべき状況にも関わらず、トラブル解決に踏み出せない人たちを、さらなる苦境へと誘っているのも現実です。

弁護士の無料サービスは、こうしたリスクに直面した人たちに手を差し伸べるべく、そして新規依頼者すなわち顧客獲得を目的に、今日全国各地で積極的に実施されています。細かい部分での相違点こそ見られますが、基本1人1回限りで制限時間が設けられています。

ほとんどの場合は予約の上、相談者が指定先を訪ねるスタイルですが、少数派ながら自ら相談者を訪ねる対応を実践している弁護士も見られます。何らかの事情で訪問が難しい相談者にとって、これは嬉しい対応です。

無料解決ではない無料相談

弁護士は国家資格である弁護士資格に基づき職務に携わる専門家であり、経済社会において正当な営利目的で弁護士事務所を構え、もしくは在籍しています。一部の方々が「無料相談」を「無料で対応」「無料で解決」と誤解釈している向きが見られますが、無料相談はあくまで「相談」であり、無料で問題解決に動いてくれることはありません。

相談者の困窮した状況に耳を傾け、どのような解決策が考えられるのか、それぞれを実践した場合に、どのような結果が想定されるのかなど、あくまで解決の前段階のアドバイスが無料相談の着地点です。この限られた時間のやりとりを通じ、担当者である弁護士に解決を委ねたいと判断したのであれば、そこから先が正式依頼、すなわち所定の報酬の負担が依頼者側に発生します。

ここでポイントとなるのが、自身が抱えるトラブルの対処で確かな実績を誇る、問題にマッチした弁護士の選択と、無料相談に臨むに際して、どれだけ十分な準備を整えられるのか、これら2点です。

相談先選択時のポイント

ネット検索機能を活用すれば、候補先と思われる弁護士事務所がズラリと画面に表示されます。訪問が可能な距離の弁護士事務所を、いくつか候補先としてピックアップできたのであれば、次にそれぞれの弁護士が、どのような分野に長けているのか、問題解決の実績を謳っているかに着目してください。

法律に対して広く深い専門知識を有する弁護士ですが、それぞれ得意分野があり、多くの公式サイト上では、こうした特長をアピールする配信が見られます。債務整理に詳しい、離婚問題に強い、交通事故関連で実績を誇るなどさまざまで、自分が抱えるトラブルの分野に強い弁護士の選択が重要です。

次に弁護士事務所の規模もまた、着目すべきポイントです。個人事務所もしくは少人数の合同事務所であれば、公式サイト上で確認できる人物が直接応対してくれる可能性大と推察できますが、大規模な事務所の場合、当日誰が対応してくれるのか、足を運んでみないとわかりません。

予約を入れて訪ねてみれば、まだ人生経験も実務経験も浅い、若い弁護士の卵と映る人物が相談相手として登場すれば、不安を覚えてしまうかも知れません。たとえば不倫や浮気からの離婚に伴う慰謝料請求相談など、女性が男性の弁護士に相談し辛い内容であれば、離婚問題に強いベテラン女性弁護士が、直接応対を約束してくれる無料相談を選ぶべきです。

相談相手の得意分野と、自身が安心して信頼を寄せられそうな人物かどうかを見極めること、これが相談先選択時の要着目点です。

簡潔にまとめた資料の準備を

限られた無料相談の時間の有効活用には、十分な事前の準備が欠かせません。たとえば離婚に関する相談時間の大半を、旦那と浮気相手を感情的に罵り続け、1円でも多く慰謝料が欲しいと繰り返すばかりでは「相談」とは言えません。

あるいは借金問題の相談に際し、自身の債務状況が分からない、関連する督促状などの資料も準備していないとなれば、弁護士も対応に窮さざるを得ません。無料相談サービスにおいては、こうした状況が潜在的に少なくないとも囁かれており、こうした困った相談者にならないためにも、可能な限りの事前の備えを徹底してください。

借金問題であれば、単に山のような督促状などをそのまま持参して、当日その場で提示するのではなく、相談者自らが一覧表を作成して提示すれば、確認作業の時間を大幅カットできます。離婚問題や近隣トラブルの状況説明であれば、事前に話す内容を口頭で練習しておく、必要に応じて資料を作成して活用するなど、より明瞭簡潔な伝達に努めてください。

自身の相談内容と現状を短時間で正確に伝えられれば、それだけ弁護士からの助言を聞く時間を確保できます。無料相談をより有益な時間とする鍵はズバリ、事前の準備です。

感情を抑えて正確に現状を伝える

相談内容を問わず、弁護士の力添えが必要との判断に至ったトラブルは、いずれも深刻であり、相談者としては精神的に不安定かつ、不安感に圧し潰されそうになっていて当然です。

そうした一方、第三者である弁護士に対し、自責で招いた窮状を正直に語れない、プライドが邪魔をして虚偽の現状を伝えてしまうケースも伝えられていますが、これは絶対にしてはならない行為です。弁護士は相談者が伝える内容だけを手掛かりに、短時間で現状を推察し、考えられる対処法や今後の展開を助言してくれます。

ところが誤ったデータや嘘の状況を伝えてしまえば、自ずと弁護士が提案するそれらは「的外れ」となるリスクが避けられません。債務整理で自己破産を回避できると判断された借金トラブルが、実はそうではなかった、想定される慰謝料が大幅に減額されてしまったなど、最悪の展開に繋がってしまっては取り返しがつきません。

これは無料相談の有効活用のコツ以前の、相談者側に遵守が義務づけられている、基本中の基本の姿勢です。

弁護士への相談に臨む際には、自己基準の見栄や世間体などはすべて一旦横に置き、真実とホンネを感情を抑えて正確に伝えなければなりません。

限られた時間で上手に弁護士に相談しよう!

弁護士の口調から現状を推察する

これは冷静な精神状態とコミュニケ―ション能力が求められますが、相談内容に対する弁護士のリアクションから、自身の置かれた現状を察することが可能です。先述の通り、新規顧客確保が無料相談サービス実施の目的である以上、弁護士は正式依頼となった場合の料金体系の説明など、相談時間の後半を説明タイムに充当します。

ところが相談内容に対し、こうした対応が見られない場合、残念ですが仮に正式依頼したとしても、相談者が希望する解決が見込めないと、弁護士側が判断している可能性が否定できません。たとえば何とか自己破産だけは回避して借金完済を目指したいと訴えても、返答の歯切れが悪い場合、暗に「自己破産以外にお力添えはできない状況です」とのシグナルと解釈できます。

弁護士は立場上、無料相談の段階で相談者に対し、こうした宣告をする資格も権利もありません。こうした場面で自己破産に関し、不安や絶望感を和らげるような説明が続けられたとすれば、それが相談内容に対する専門家からの助言です。

それでも諦めたくない、なんとか自己破産を回避できる糸口を探したいのであれば、別の無料相談を利用するのも一案です。弁護士には相談者の人生の指針の決定権はありません。ですがこうして時間が経過すればそれだけ、抱えている問題がより深刻となる現実が無視できません。

弁護士へ相談すべきトラブルは時間稼ぎを許してはくれず、自身が納得できる回答探しに奔走してはなりません。